地域医療介護支援事業
医療機関とのネットワークを生かし、地域ごとの医療・介護課題を解決し、地域の人々の生活の質向上・維持に貢献する薬局・介護サービスを総合的に提供しています。
機会とリスク
機会
- かかりつけ薬剤師・薬局の推進
- オンライン診療・オンライン服薬指導など非接触型医療への転換
- 電子処方箋の運用開始
- 認定薬局制度の推進(地域連携薬局・専門医療機関連携薬局)
- 規制緩和による新たなビジネスモデルの創出
- 地域包括ケアシステム構築の推進
- 大都市圏における高齢者人口の増加
- 高齢化に伴う介護サービス範囲の拡大
- 医療・ヘルスケア分野におけるデジタル化の進展
- 個別化医療の進展
- 在宅医療・介護ニーズの多様化
リスク
- 地域の医療提供体制の見直し
- 服薬状況の把握と継続的服薬指導の法制化
- 薬剤師の地域偏在
- 規制緩和による異業種の参入
- 介護市場における深刻な人材不足
スズケングループの強み
地域に密着した機能・サービス
- 「かかりつけ薬局」と「健康サポート薬局」の2つの機能の保持
- 保険薬局の処方元の医療機関との強固なつながり
- 地域の保険薬局の業務改善や教育支援
- 多様なニーズに対応する介護サービス
地域医療連携を実現させるグループ内および協業企業との連携
- 医療・介護現場や患者さま・ご家族のニーズ、課題の共有
保険薬局事業における拠点・認定薬局数(2024年3月31日現在)
- 保険薬局店舗数:35都道府県559店舗
- 健康サポート薬局:うち24店舗
- 地域連携薬局:うち35店舗
- 専門医療機関連携薬局:うち3店舗
介護事業における拠点(2024年3月31日現在)
- 事業所数:185事業所
主な取り組み
保険薬局事業
グループ薬局の機能強化と薬剤師の質の向上
2022年4月、全国共通のグループブランドの構築を目指し、株式会社ファーコスと株式会社ミックを統合し、株式会社ユニスマイルを設立。グループ内の他事業とのシナジー強化に取り組んでいます。
また、グループ薬局間の制度やシステムの統一、本社機能・業務の標準化、グループ再編を推進するとともに、薬剤師業務の見直しや調剤補助機器の導入による業務効率化など、生産性・収益性向上と事業基盤強化に取り組んでいます。
さらに、オンライン服薬指導サービスや処方箋の電子化、処方薬の居宅配送など、患者さまの利便性向上に取り組み、安心・安全な薬局としてのグループブランドの構築を進めています。
グループ事業との連携による新たな付加価値の創出
在庫管理システムによる不動在庫品の管理や、当社グループが展開するスペシャリティ医薬品のトレーサビリティシステム「キュービックス(薬局版モデル)」の導入により、在庫の最適化や医薬品廃棄ロスの削減に取り組んでいます。
また、当社グループの介護事業と連携した取り組みとして、グループ会社であるエンブレース株式会社の医療介護専用SNS「メディカルケアステーション(MCS)」を活用し、地域における情報共有を推進しています。グループで連携した取り組みにより地域の多職種連携の場に参画することで、薬局に訪れる患者さまの介護サービス利用のニーズ・相談への対応や社員教育につなげています。さらに、協業企業であるココネット株式会社と「医薬品即日配送サービス」の実証実験を開始するなど、ラストワンマイルにおける流通の構築といった新たなサービスモデルの構築を進めています。
保険薬局事業では、DXを積極的に取り入れ、薬局業務の改革を進めるとともに、患者さまとの接点を強化することで、かかりつけ薬局・薬剤師の機能の充実を進めています。グループ薬局の全薬剤師へのコラボポータル機能を実装したコラボモバイルの貸与や、薬局DXをサポートするカケハシのサービスを活用したLINEによる患者フォローシステムの展開など、デジタルを活用した患者さまとの双方向の接点を実現し、地域に貢献する新たな薬局の姿を目指します。
地域に選ばれる薬局づくり
スズケングループでは、すべての薬局が「かかりつけ薬局※1」となること、「かかりつけ薬剤師」を置くことを目指し、投薬後のフォローアップや服薬指導内容の充実など、さまざまな機能を強化しています。また、地域住民の主体的な健康の保持・増進を積極的に支援する「健康サポート薬局※2」では、薬に関する相談や介護用品選定の支援、健康イベントの開催など、地域住民の健康維持をサポートしています。
2020年4月には日本栄養士会が推奨する「認定栄養ケア・ステーション」を併設した薬局を展開。管理栄養士が専門的な立場から地域住民、医療機関、自治体などを対象に栄養支援を行う地域拠点としてサービスを提供しています。地域になくてはならない存在として、選ばれる薬局づくりに取り組んでいます。
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※1かかりつけ薬局:「服薬情報の一元的・継続的把握」「24時間対応・在宅対応」「医療機関等との連携」の機能を備えた薬局
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※2健康サポート薬局:かかりつけ薬剤師・薬局の機能に加え、地域住民による主体的な健康の保持・増進を積極的に支援する薬局
地域医療連携を実践するための機能の拡充
地域包括ケアシステムの一翼を担う薬局として、地域の医療従事者や介護従事者と連携することで、患者さまやご家族の負担を軽減し、安心・安全に暮らせる仕組みを構築しています。
がん治療などで自宅で過ごす患者ニーズに応えるため、無菌調剤室を持つ薬局を展開しているほか、在宅患者への訪問服薬指導をすべての薬局で実施する体制を整備しています。
2021年にスタートした機能別薬局の認定制度においては、地域連携薬局※3に35店舗、専門医療機関連携薬局※4に3店舗が認定を受けており、地域医療連携を実践しています。
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※3地域連携薬局:他の医療提供施設と連携し、地域における薬剤および医薬品の適正な使用の推進や、効率的な提供に必要な情報の提供、薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局
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※4専門医療機関連携薬局:他の医療提供施設と連携し、専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局
介護事業
お客さまに寄り添う総合的な介護サービス
中国地方で展開するサンキ・ウエルビィ株式会社では、訪問介護などの在宅サービスを中心に74拠点134事業所、首都圏・中部圏で展開する株式会社エスケアメイトでは、施設系サービスを中心に23拠点51事業所で介護事業を運営しています。利用者の要支援・要介護の状態やその変化に合わせ、在宅から居住系のサービスまで、幅広い介護サービスを提供しています。介護職員の確保が重要な課題となっている中、資格取得支援制度を新設するなど従業員の満足度向上を図るとともに、介護ロボットや転倒防止センサーの導入など介護職員の負担軽減につながる取り組みを進めています。
また、介護人材の安定確保に向けた離職防止や稼働率の向上を図るとともに、ai6とWi-Fiセンシング技術による見守りサービスの実証実験を開始するなど、お客さま満足度向上と業務負担低減を両立するソリューションの開発を進めています。
地域の特性に合わせた介護サービスの展開
自治会への参加や、地域住民と利用者との交流イベントを主催するなど、地域との関係構築を進めています。
グループ内連携による地域包括ケアシステムへの貢献
当社グループの介護事業では、グループ一体での地域医療・介護連携への取り組みを強化しています。グループ会社のエンブレース株式会社が提供している医療介護専用SNS「メディカルケアステーション(MCS)」を通して、営業担当者であるMSや薬剤師と情報連携を図ることで、地域情報の共有や薬局を利用する患者さまへの介護サービスの事前相談など、利用者の医療・介護サービスの充実につなげています。今後は、利用者も含めた地域の多職種連携ツールとしての展開を進めていきます。また、株式会社エスマットの在庫管理自動化IoT機器「スマートマット」を活用した介護用品の自動発注などの取り組みも推進しています。
株式会社八神製作所との合弁会社「株式会社メディケアコラボ」を設立
福祉用具のレンタルサービス事業などのケアテックの総合流通事業を展開するため設立。地域医療・介護へのさらなる貢献を目指しています。