地域医療介護支援

超高齢化社会の日本では、2042年をピークに65歳以上の高齢者の人口が増加する一方で、医療や介護を担う生産年齢人口の減少は加速すると予測されています。また、高齢化の進行度合や人口構成の変化には地域差があります。

医療・介護需要の動向も地域によって異なり、患者さまや介護サービス利用者の医療・介護ニーズも時代とともに変化しています。一人暮らしの高齢者の増加や離れて暮らす親の見守り、老老介護など、さまざまな社会課題が浮き彫りとなる中、医療・介護従事者の人手不足を解消し、住み慣れた自宅などで必要な医療や介護、生活支援サービスを受けられる体制を整備することが必要です。さらに、在宅患者や介護サービス利用者の方々の生活の質の向上やサービスの利便性向上のために、医療と介護の連携と、地域の実情に合わせたきめ細やかな支援が求められています。

当社グループは、各地域の医療・介護の課題解決と地域住民の方々の健康創造に貢献するため、ヘルスケア分野におけるノウハウとリソースを持つグループ企業や協業企業と連携し、患者さまや自治体、医療・介護従事者の皆さまのニーズを起点としたデマンドチェーン発想による新事業の立ち上げを目指しています。ニーズの収集には、当社グループの保険薬局事業や介護事業、協業企業も参画するデジタルプラットフォームを通じた患者さまとの接点を活用します。

この新事業によって、自治体や医療機関、保険薬局、介護事業所など、地域が一体となって患者さまや地域住民の方々に安心・安全な暮らしを提供できる地域ヘルスケアプラットフォームを構築します。

薬局事業では2023年11月にファーマライズホールディングスとの協業を開始し、保険薬局における患者支援サービスや新たな医薬品流通モデルの構築などへの取り組みを開始しました。また、介護事業では中部電力と同年３月に包括業務提携を締結しており、同社が展開する電力使用量の分析からフレイル^※と推測される高齢者を把握するサービスと、当社グループの医療・介護従事者をつなぐDXソリューションを掛け合わせ、地域住民の健康を支援する事業モデルの構築を進めています。

当社グループの薬局・介護事業で得られる患者ニーズに加え、これらのサービスを利用するユーザーからのニーズを起点に、地域ごとに異なる医療・介護課題に対応する新たなソリューションを地域の企業や自治体と共同で開発・展開していきます。